みんな。みんな。みんな死んでしまった。おおかみになって。ベルベッチカちゃんを助けるため。お母さんを助けるため。ゆうちゃんが、みんなを殺して、食べた。そしてその結果。
ゆうちゃんはベルベッチカちゃんに「上書き」されて、居なくなってしまった。
沙羅は、ひとりぼっちになってしまった。ひとりぼっちになった沙羅は、神社の階段のいちばん下にひとり、座っていた。
「お昼ご飯が出来たそうだよ」
ベルベッチカちゃんは、そう言うと社務所に戻った。沙羅はぼーっとしていて、うんと答えたけどまだ座っていた。だから、そのモノが来た時、社務所という結界の外に居た。
「寂しい?」
うん。
何度も何度も聞いたことのある声だったから、なんの違和感もなく答えた。前を向いた沙羅に、そのヒトはもう一度聞いた。
「寂しい?」
そのヒトの輪郭は、黒く歪んで見えなかった。
ゆうちゃんはベルベッチカちゃんに「上書き」されて、居なくなってしまった。
沙羅は、ひとりぼっちになってしまった。ひとりぼっちになった沙羅は、神社の階段のいちばん下にひとり、座っていた。
「お昼ご飯が出来たそうだよ」
ベルベッチカちゃんは、そう言うと社務所に戻った。沙羅はぼーっとしていて、うんと答えたけどまだ座っていた。だから、そのモノが来た時、社務所という結界の外に居た。
「寂しい?」
うん。
何度も何度も聞いたことのある声だったから、なんの違和感もなく答えた。前を向いた沙羅に、そのヒトはもう一度聞いた。
「寂しい?」
そのヒトの輪郭は、黒く歪んで見えなかった。

