それから。ゆうは村人を、おおかみになった村人を食べ続けた。
翔のお父さんにお母さん。美玲のお父さんにお母さん。茜のおじいさん。結花のお父さん。みかのお父さんにお母さん。航のお父さんにお母さん。蒼太のお父さんにお母さん。
角田屋のおばあちゃん。村でたったひとつの郵便局の職員さんに局長さん。村でたったひとつのブティックのおばさん。村でたったひとつの中華料理屋さんの老夫婦。
食べた……食べた。一心不乱に食べまくった。食べれば食べるほど。ベルの声ははっきり、大きく、他の人に聞こえるようになった。新月の目の精度は、どんどんあがっていった。相手の首を切り落とす爪は、どんどんするどくなっていった。
……
ある日、村役場を襲撃した。もう冬になっていて、雪が降っていた。小さな役場だったけれど、それでも三十人はいた。皆殺しにした。右手を新月の爪にして。全員残らず切り刻んだ。そして、二十七人目を食べ終わった時。
爪が、戻せなくなった。
あれ、おかしいな。そう思ってまばたきをしたら。
相原ゆうとベルベッチカが入れ替わった。
翔のお父さんにお母さん。美玲のお父さんにお母さん。茜のおじいさん。結花のお父さん。みかのお父さんにお母さん。航のお父さんにお母さん。蒼太のお父さんにお母さん。
角田屋のおばあちゃん。村でたったひとつの郵便局の職員さんに局長さん。村でたったひとつのブティックのおばさん。村でたったひとつの中華料理屋さんの老夫婦。
食べた……食べた。一心不乱に食べまくった。食べれば食べるほど。ベルの声ははっきり、大きく、他の人に聞こえるようになった。新月の目の精度は、どんどんあがっていった。相手の首を切り落とす爪は、どんどんするどくなっていった。
……
ある日、村役場を襲撃した。もう冬になっていて、雪が降っていた。小さな役場だったけれど、それでも三十人はいた。皆殺しにした。右手を新月の爪にして。全員残らず切り刻んだ。そして、二十七人目を食べ終わった時。
爪が、戻せなくなった。
あれ、おかしいな。そう思ってまばたきをしたら。
相原ゆうとベルベッチカが入れ替わった。

