そう言って、ゆうを優しく抱いて美しい金髪を撫でた。
「そして、問題なのは体の事だよ、愛しいきみ。新月のモノにもヒトと同じく性差はある。……私よりアレクの方が肉体の力は強かった」
「そんなの、勇気と努力で埋められるっ!」
「そのアレクも、再生能力が追いつかなくなるほどの身体に大穴を空け、オリジンの爪牙に掛かった」
「そう……だったの」
ゆうの怒りは少し治まり、下を向く。
「アレクの肉体の力だけ見れば、始祖の私より確実に上だった。それでも死んでしまう。……私だって愛しい愛しいきみに、寄り添いたい。……だが現実は違う。生きるか、死ぬかだ」
「そんなの……」
「もう一度言うけれど、きみが死んだら、身体を共有している私も、オリジンに連れ去られたきみのお母さんと赤ちゃんも助けられないぞ。私の忠告を、どうか聞いて欲しい。……愛しいきみより、少しだけ事情に通じている」
「……僕は……僕は……」
ベルの腕の中で、泣いた。大粒の涙をこぼしながら。
「守りたかったんだ。ベルのことも、お母さんのことも。……クラスの、みんなのことも……守りたかったんだ……」
ベルは、言葉をうまく出せない。目から悔しさと歯がゆさをこぼす、「息子」を前にして。
うわああん、うわああん。ゆうは、止めることなく泣き続けた。
「そして、問題なのは体の事だよ、愛しいきみ。新月のモノにもヒトと同じく性差はある。……私よりアレクの方が肉体の力は強かった」
「そんなの、勇気と努力で埋められるっ!」
「そのアレクも、再生能力が追いつかなくなるほどの身体に大穴を空け、オリジンの爪牙に掛かった」
「そう……だったの」
ゆうの怒りは少し治まり、下を向く。
「アレクの肉体の力だけ見れば、始祖の私より確実に上だった。それでも死んでしまう。……私だって愛しい愛しいきみに、寄り添いたい。……だが現実は違う。生きるか、死ぬかだ」
「そんなの……」
「もう一度言うけれど、きみが死んだら、身体を共有している私も、オリジンに連れ去られたきみのお母さんと赤ちゃんも助けられないぞ。私の忠告を、どうか聞いて欲しい。……愛しいきみより、少しだけ事情に通じている」
「……僕は……僕は……」
ベルの腕の中で、泣いた。大粒の涙をこぼしながら。
「守りたかったんだ。ベルのことも、お母さんのことも。……クラスの、みんなのことも……守りたかったんだ……」
ベルは、言葉をうまく出せない。目から悔しさと歯がゆさをこぼす、「息子」を前にして。
うわああん、うわああん。ゆうは、止めることなく泣き続けた。

