ゆうは開いた口が塞がらない。なんでそこに居るのか、理解できない

「なんでかって? ……ゆうくんが殺して回ってますからねえ、先生の大事な生徒たちを。ねえ、蒼太くん? こわいですねえ、鉄砲で蒼太くんのこと、撃とうとしてたんですよ?」

 そう言うと、おおかみの頭を撫でた。がうっ、おおかみが吠える。

「それもこれも、ベルベッチカさん。あなたの入れ知恵かしら? ……まあ、いいわ。こっちにいらっしゃい、ゆうくん。先生とクラスに戻りましょ? 今ならぜーんぶ、なしにしてあげる」

 あゆみ先生が翻意を促す。とてもとても穏やかな笑顔で。
 ちゃかっ、ゆうはコルトを構えた。

『愛しいきみ、話を聞くな。オリジンはきみを必ず殺す』
「ベルベッチカちゃん? あんなにバラバラにしたのに。焼いてよく火を通したのに。まだ生きているの?」
『お前が取り上げたエレオノーラは、今や私と一緒だ。もう二度と取り上げさせないぞ』

 にっこり笑ったあゆみ先生が近づく。