二人とも不思議そうな顔をした後、教室を後にした。航とみかが教室を出るのを見てから昇降口へ行って靴をとって、来賓用の出入口からそっと出た。
……
もうすぐ十月、暑さも和らいだ。東北のこの山では、あっという間に冬が来る。青空は抜けるように綺麗で、山々は上の方が紅葉している。田んぼもだいぶ色がついた。お米のいい匂いをかぎなから、蒼太は上町への田んぼ道を歩く。
(ゆうは、毎日どんな気持ちでこの道を歩いていたんだろう)
バカ騒ぎする翔と、ゆうのお姉さん役の沙羅。翔の飼い主の茜に、美少女オタクの美玲。みんなで歩く上町までの道は、どんな風に写ってたんだろう。
ゆうの、後ろ姿が愛しい。制服はいつも男子用で、長い髪はいつも帽子の中で、本当に男か女かわからないけれど。スラッとした白い手足に、いつも釘付けだった。
「ぼく、おとこのこだよ」
いいんだ。俺は彼女が……好きなんだ。小さい頃から、ずっと。
ずっと。
……
もうすぐ十月、暑さも和らいだ。東北のこの山では、あっという間に冬が来る。青空は抜けるように綺麗で、山々は上の方が紅葉している。田んぼもだいぶ色がついた。お米のいい匂いをかぎなから、蒼太は上町への田んぼ道を歩く。
(ゆうは、毎日どんな気持ちでこの道を歩いていたんだろう)
バカ騒ぎする翔と、ゆうのお姉さん役の沙羅。翔の飼い主の茜に、美少女オタクの美玲。みんなで歩く上町までの道は、どんな風に写ってたんだろう。
ゆうの、後ろ姿が愛しい。制服はいつも男子用で、長い髪はいつも帽子の中で、本当に男か女かわからないけれど。スラッとした白い手足に、いつも釘付けだった。
「ぼく、おとこのこだよ」
いいんだ。俺は彼女が……好きなんだ。小さい頃から、ずっと。
ずっと。

