高垣蒼太は、クラスでは元気な男子のリーダーで通っている。
翔はオツムが足りてないし、航は頭はいいけど臆病だ。ゆうも頭はいいけど、いつも帽子でちょっと暗いし、リーダーって感じじゃない。みんな蒼太をリーダーだって、そう思ってくれてる。
でも蒼太は、複雑だった。かけっこでは、翔に勝てない。航には、テストで勝てたことが無い。中途半端が嫌で、なんだかリーダーだって思われるのがこそばゆかった。
ゆうは……ゆうには。ゆうには、見た目で勝てない。
帽子から見えるきらきらした金髪はとても綺麗だった。青い瞳は、空を映して輝いていた。長いまつ毛も金色で、白い肌を煌びやかに彩っている。蒼太が金髪に染めてるのも、もちろんゆうの影響だ。
幼稚園の頃から綺麗な子だと思っていた。でもたしか……年中さんくらいまでは、女の子だったはずなのだ。いつの間にか帽子をかぶるようになって、いつの間にか「僕」と言うようになった。覚えているだろうか。年中さんのころ、お嫁さんにしてあげるって、言ったのを。
「ぼく、おとこのこだよ」
そう返されて、その時の告白は失敗したけど。
三週間前。保健室に運ばれていくゆうを見て。胸がまた、高鳴った。
……
翔はオツムが足りてないし、航は頭はいいけど臆病だ。ゆうも頭はいいけど、いつも帽子でちょっと暗いし、リーダーって感じじゃない。みんな蒼太をリーダーだって、そう思ってくれてる。
でも蒼太は、複雑だった。かけっこでは、翔に勝てない。航には、テストで勝てたことが無い。中途半端が嫌で、なんだかリーダーだって思われるのがこそばゆかった。
ゆうは……ゆうには。ゆうには、見た目で勝てない。
帽子から見えるきらきらした金髪はとても綺麗だった。青い瞳は、空を映して輝いていた。長いまつ毛も金色で、白い肌を煌びやかに彩っている。蒼太が金髪に染めてるのも、もちろんゆうの影響だ。
幼稚園の頃から綺麗な子だと思っていた。でもたしか……年中さんくらいまでは、女の子だったはずなのだ。いつの間にか帽子をかぶるようになって、いつの間にか「僕」と言うようになった。覚えているだろうか。年中さんのころ、お嫁さんにしてあげるって、言ったのを。
「ぼく、おとこのこだよ」
そう返されて、その時の告白は失敗したけど。
三週間前。保健室に運ばれていくゆうを見て。胸がまた、高鳴った。
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