ベルベッチカ・リリヰの舌の味 おおかみ村と不思議な転校生の真実

「いらっしゃい、相原くん」

 さっきは不意打ちで先手を打たれたけど、今度はこっちのばんだ。失敗はできない。なぜなら今日は、大好きな、大好きな相原くんと……結ばれたいのだから。

「可愛いお部屋だね」
「えへへ。可愛いものが好きなの」

 机の上に、ベッドの周りに。何度も行った舞浜の夢の国のキャラクターのぬいぐるみで飾った結花の部屋は、女の子らしさ満点のお部屋だ。いちばんの仲良しのみかにすら見せていない、秘密のお部屋。褒められて、嬉しい。

「結花の方が可愛いけどね」
「え?」

 ん──!
 キスをされた。そしてメイド服のまま、ぬいぐるみたちの結花のベットに押し倒した。唇を離す。

「結花……好きだ」
「相原くん……わたしも……」

 そこから先は、夢見心地だ。
 オトナの映画でしか見たことの無い、体験だった。

 ……