美玲の家から、沙羅のおじいちゃん家への帰り道。愛しいベルが語りかけてきた。
『美玲は目をつぶって静止していたよ。……弾丸を使う状況じゃなかったはずだ』
「……なるべく苦しませたくなかったんだ」
ゆうは母に素直に考えていたことを告げた。
『私なら一秒の十分の一で首を落とせた。ところがきみ。弾を打ち込まれた美玲はどうなった?』
「……おおかみになった」
「貴重な二十四分の一を使った上に、結局美玲を苦しませたね」
頭の中のお母さんは何が言いたいんだろう。
「美玲のおおかみは、とても小さかった。言わば小物だ。目の使い方に慣れたばかりの君でも心臓をつぶせた。私やアレクを襲ってきた大陸のおおかみは、少なく見積もっても美玲の三倍は強かった。かむ力も、脚力も比べ物にならない。そしてオリジンは、次元が異なる。五十倍は強いだろう。きみの力は奴の前では児戯に等しい。私の新月の始祖の力を持ってしても」
『美玲は目をつぶって静止していたよ。……弾丸を使う状況じゃなかったはずだ』
「……なるべく苦しませたくなかったんだ」
ゆうは母に素直に考えていたことを告げた。
『私なら一秒の十分の一で首を落とせた。ところがきみ。弾を打ち込まれた美玲はどうなった?』
「……おおかみになった」
「貴重な二十四分の一を使った上に、結局美玲を苦しませたね」
頭の中のお母さんは何が言いたいんだろう。
「美玲のおおかみは、とても小さかった。言わば小物だ。目の使い方に慣れたばかりの君でも心臓をつぶせた。私やアレクを襲ってきた大陸のおおかみは、少なく見積もっても美玲の三倍は強かった。かむ力も、脚力も比べ物にならない。そしてオリジンは、次元が異なる。五十倍は強いだろう。きみの力は奴の前では児戯に等しい。私の新月の始祖の力を持ってしても」

