「これを持っていきなさい」

 沙羅のおじいちゃんに渡されたのは、赤い箱。狼の絵と、飾り文字で英語に読める何かが書いてある。キャラメルかマッチでも入っているのかと思ったら、ざらざらと拳銃の弾が出てきた。

「この前渡した銃はね、コルトSAAと言ってね、百年以上前の銃なんだ。代々おおかみ狩りの切り札として使われてきた。その特製の弾だ」

 映画なんかで見る拳銃の弾は金色っぽい色だったと思うけど、これは銀色をしている。

「この前に渡したのに一発入っているのは、純銀の弾。一発しかない。絶対に、オリジン……始祖以外に使ってはいけないよ。……今渡したその中の弾は、通常の弾丸に銀メッキ処理をした弾だ。純銀の弾に比べれば遥かに効力は劣るが、それでも普通の弾の十倍は効くはずだ」

 ゆうは、それをざらざらと手のひらの上に乗せた。銀色に輝く弾頭は全部で二十四発あった。

「村人みなの分はない。考えて、使うんだよ」

 ……