翌日。大祇神社仮本殿横。
「おぎゃあ。おぎゃあ」
「あなた、見て、ほら、赤ちゃん……神様が下さったんだわ……おおかみの神様が」
「でも静……この子の本当の持ち主が……すまないだろう」
「そんなことありません! この子は今日から私たちの子供よ!」
「おぎゃあ。おぎゃあ」
「……よそう。警察に届けよう」
「何言ってるのっ! 絶対、絶対嫌よ! この子は、この子はもう私の! 絶対に手放すもんですか」
「でも、対価が……」
「……? なんですって?」
『すまない』
「静、しっかりしろ、静!」
「あなた……この子を……」
「取リ戻シタイカ? ……対価ヲ……? ナラバ」
『すまない』
「ゆう、しっかりしろ、ゆう!」
「お父さん……?」
樫田のおじい様の家。娘は、いや、息子は目を覚ました。
「……すまない」
「お父さん、いつも謝ってるね」
そう言って、息子は男の目に浮かぶ涙をぬぐった。
「おぎゃあ。おぎゃあ」
「あなた、見て、ほら、赤ちゃん……神様が下さったんだわ……おおかみの神様が」
「でも静……この子の本当の持ち主が……すまないだろう」
「そんなことありません! この子は今日から私たちの子供よ!」
「おぎゃあ。おぎゃあ」
「……よそう。警察に届けよう」
「何言ってるのっ! 絶対、絶対嫌よ! この子は、この子はもう私の! 絶対に手放すもんですか」
「でも、対価が……」
「……? なんですって?」
『すまない』
「静、しっかりしろ、静!」
「あなた……この子を……」
「取リ戻シタイカ? ……対価ヲ……? ナラバ」
『すまない』
「ゆう、しっかりしろ、ゆう!」
「お父さん……?」
樫田のおじい様の家。娘は、いや、息子は目を覚ました。
「……すまない」
「お父さん、いつも謝ってるね」
そう言って、息子は男の目に浮かぶ涙をぬぐった。

