「よっこらしょ」

 声を出して、ソファから立ち上がった。

「無理しちゃダメだよ」

 新が心配そうに声をかけた。

「無理してな~い?」

 考子が甘えた声で新に近寄った。

「チューして?」

 もたれかかるように体を新に預けた。

「甘えん坊だな~」

 言葉とは裏腹に満更でもなさそうな顔をして、チュッと唇を重ねた。

「もっと?」

 考子はおねだりするような声を出して、唇を突き出した。
 新は優しく長時間唇を合わせた。
 
「これでいいかい?」

「うん、元気になった。ありがとう」

 考子の顔にいつものような笑みが戻った。