今から46億年前、将来生命を産み出す〈(もと)〉が生まれた。
 それは、小さな〈(ちり)〉だった。
 それが1千万年くらいかけて〈地球〉という揺りかごになった。
 そこに雨が降って、〈母なる海〉ができた。
 海底からは熱水が噴き出していた。
 そこにはメタンやアンモニウムが豊富に含まれていた。
 その生命の素になる物質が化学変化を起こし、〈原核(げんかく)生物〉が生まれた。 
 はっきりとした核を持たない〈単細胞生物〉だった。
 それは、生命が生まれた瞬間だった。
 わたしたちの祖先が生まれたのだ。
 その中に酸素を産み出すものが出現した。
 その酸素を利用して生物は進化を始めた。
 わたしたちの祖先は核膜(かくまく)を持つ〈真核(しんかく)生物〉になった。
 その時の大きさは僅か数ミリだったが、そこへ辿り着くまでに13億年という気の遠くなるような長い時間が必要だった。
 そして更に10億年後、わたしたちの祖先はやっと〈多細胞生物〉になった。
 最初の生命誕生から23億年が経っていた。
 
 それから更に10億年後、海の中で生命の大爆発が起こった。〈カンブリア爆発〉だ。
 一気に生物の種類が増えた。
 その中から〈魚類〉が誕生した。
 彼らは〈背骨〉を有した〈脊椎(せきつい)動物〉だった。
 わたしたちの祖先は〈ナメクジウオ〉に姿を変えていた。
 その後、〈(あご)〉を獲得することによって繁栄の切符を手にすることになった。
 海の王者として君臨するようになったのだ。