恋愛に疎い瑞祥さんにはそれが伝わっていなかったらしい。 「ちょっとお話しようか瑞祥」 「は? なんだよ急に」 「いいから来なさい」 ガッと瑞祥さんの手を掴んだ聖仁さんは大股で歩いていく。引っ張られるようにしてついて行く瑞祥さんの後ろ姿に小さく手を合わせた。