「慶賀さん、本当にそう感じたんですか?」


先程までにこにこと見守っていたはずの先生が急に真剣な顔になった。

突然空気が変わったことに、慶賀くんは戸惑いながら頷いた。


「……三年生の範囲なのでまだ教えていませんが、龍神系の神が意志を伝えようとしています」

「龍神!? かっけぇ〜!」

「締め付けるような感覚は知らず知らずのうちに龍神の怒りに触れる行いをしたか、警告を受けている状態です」


え?と慶賀くんが固まる。

龍神と言えば主に水を司る神様だ。


「だはははッ! 龍神に怒られるとかお前何したんだよ!」

「慶賀って馬鹿だと思ってたけど、龍神を敵にするほど馬鹿だったんだね」

「どうせ水関連の悪さでもしたんでしょ」

「救いようのない馬鹿だな」


心当たりがあるのか青い顔をして口を閉ざした慶賀くん。龍神を怒らせるほどの悪さって一体何をしでかしたんだろう。


「しっかり手を合わせて心から反省してください。それしか方法はありません」


はい、と力なく肩を落とした慶賀くんが席に戻った。