「先祖や神に警告を受けるような生き方をしている奴らの方がどうかしてると思うけどな」

「はァ!? 僕は警告じゃなかったし!」


またもや喧嘩開始のゴングが鳴り響き立ち上がった来光くん。冷や冷やしながら見守っていると、ホワイトボードの前に立ち赤ペンを握った。

側頭部と左手の人差し指、中指にに丸を付けた。


「ここに指で押されるような感覚があったあと、左手のこの指先が痺れました」


こんこん、とホワイトボードを叩いた来光くん。


「左手にも何かしらを感じた人が出てきましたね。ここから分かることは何ですか? 泰紀さん」


先生に指名されて「げ、俺?」と露骨に嫌な顔をした泰紀くんが頬を掻きながら立ち上がる。


「えっとまず……両方の側頭部だから、霊とか先祖の類……っすよね?」

「そうですね。では左手に刺激があった場合は、どの指が何に当たりますか?」


うーんとえぇーと、と視線を泳がせる泰紀くんとふいにバチッと目が合った。そして小さく拝むと「先生! 巫寿さんが答えたがっています!」と私に丸投げする。

ひどい、あんまりだ。

露骨に顔を逸らして席に座った泰紀くんにちょっと恨みがましい視線を送って渋々立ち上がった。


私もあんまり憑霊観破は得意じゃないのに……。