言祝ぎの子 陸 ー国立神役修詞高等学校ー


つまりこの頃からお母さんはお父さんに片思いしていた可能性がある、ということでもある。

なんだか覗いてはいけない記憶の1ページを覗いてしまったような感覚になっていそいそとパンフレットをファイルに戻した。


「なー、どういう意味だよ! 解説しろよ天叡!」

「瑞祥ってほんとそういうのに鈍いよね。鈍感っていうか」

「はァ? じゃあ聖仁は分かったのかよ!」


教えろよー!と肩を揺する瑞祥さんに、少し意地悪な笑みを浮かべて黙る聖仁さん。もうイチャついているようにしか見えない。

とにかく今ある分は片付けるよ、といつの間にか仕切り役になった天叡さんの一声で私たちは視聴覚室へ向かった。