薬にいい思いはないらしく、賀子が顔を顰める。


「にーに達が宿題してる間、店の中見ててもいいけど外には出るなよ。あと絶対に何にも触んな」


わかった!という返事だけはいつもいい。

早速薬棚に吸い寄せられて行った賀子の背中にため息を零すと、二人がニタニタ笑いながらこちらを見ているのに気づいた。


「何も言うな!」

「まだ何も言ってねぇよ、にーに」

「そうだよ、にーに」


俺が騒げば二人は余計に喜びそうなので代わりに思い切りつま先を踏んづけてやった。