賀子の小さな手を握りしめる。へへへ、と頬を赤くして俺を見上げるその顔が腹立たしいのに憎めない。


「あの慶賀が兄ちゃんしてらァ……」

「あの慶賀がしっかりしてる……」

「どの慶賀だよッ! うるせぇ外野!」


小馬鹿にするような見守られているような二人から視線がむず痒くて、ずんずんと大股で歩き出した。