言祝ぎの子 陸 ー国立神役修詞高等学校ー


志ようさんは私の名付け親になったことを後悔していて、でもお母さん達はそうは思っていなくて、私を守り強い子に育てればいいと思っている。

志ようさんの後悔とお母さんの考えに繋がりがあるとは思えない。


『私が名前を付けたから。私があの子に名前なんて付けたから、あの子を縛ってしまった……!』

『志よう、どういうこと? もしかして先見の明で巫寿の未来を見たの?』

『こんなことになるなんて微塵も思ってなかったの……! ああ、どうしたらいい? 私は何てことを。泉ちゃんたちの大切な、私たちの大切な希望を』


志ようさんが泣きながらそう言った、いつか見た夢。ただの夢だと思っていたそれは、本当は私の頭の奥底に眠る記憶の欠片だったのかもしれない。

縛ったってどういうこと? 志ようさんは先見の明で私の未来を見たの? どうして私に謝ったの?


────巫寿。可愛い巫寿。大切な子。私たちの希望。


そう言って私を抱きしめてくれた志ようさんの温もりを、何となく覚えている気がする。

志ようさん、私の名付け親。未来を見通す審神者。


彼女は一体私の名前に、どんな意味を込めたのだろう。