ぱらぱらとページを進めていると"志よう"という文字が目に留まり手を止めた。
───かむくらの社へ志ようの様子を見に行った。なんだか元気がないみたいでかなり心配。今度巫寿を連れて行けば、喜んでくれるかな。
当時の審神者である志ようさんが暮らしているかむくらの社へ訪ねたある日の記録だった。
そこからまた飛び飛びに日常が綴られ、三週間後くらいにまた「志よう」の文字が現れる。
────巫寿を連れて志ようのところへ。志ようが私に泣いて謝ってきた。志ようは巫寿の名付け親になったことを悔いているようだけれど、私は微塵もそうは思わない。私たちが守って、強い子に育てればいいだけだから。
ん?と眉根を寄せて顔を近付ける。
「私の名付け親って志ようさんなんですか?」
「そうみたいね。この前見せた一恍の手紙にもそう書いていたから、間違いないと思うわ」
この前の手紙……お父さんが家族写真を送った時に一緒に同封した手紙のことか。
別の事にばかり気を取られていたせいで見逃していたらしい。言われてみれば確かに「上の子が祝寿で禄輪が名付け親で、下の子が……」みたいな内容が書かれていたような気がする。
そうか、私の名前って志ようさんがつけてくれたのか。
両親と禄輪さん、志ようさんは幼馴染で親友だったと聞いているし、お兄ちゃんの名付け親が禄輪さんなら私の名付け親が志ようさんなのも納得できる。
でも……"悔いている"ってどういうこと?



