言祝ぎの子 陸 ー国立神役修詞高等学校ー


『まぁ、凶暴性でいえば慶賀の言った通り大百足や牛鬼かもしれんが……いちばん怖いのは知能の高い妖だな』

『知能の高い妖?』

『そうだ。自分で物事を考えて動く妖、とでも言うべきか。とくに人型になれる妖はとりわけ知能が高いんだ。妖狐や天狗、河童族とかだな。彼らは仲間が意識が強く、戦う時は作戦を立てる。個の力は弱くとも団結すれば大百足なんて手も足も出まい』


へぇ、とみんなは声をそろえる。

なんだか小学校の時に国語の授業で習った、黒い魚と赤い魚の話を思い出す。

すると隣の席の来光くんが私の腕を続き「なんか『ぼくが、目になろう!』のやつみたいじゃない?」と囁く。

同じことを考えていたようで顔を見合せてくすくす笑った。


『知能が高い妖ってどこの一族なんですか?』


もう一度腕を組んで「ふむ」と首を捻った先生。


『ぬらりひょんだな。彼らは妖一族の中でもかなり智謀に長けた一族だ。あとは、僧侶や山伏にルーツを持つ天狗族もなかなかに賢い。烏天狗や八大天狗がそうだな』


その時は「ふーん」と何となく聞いていたけれど、こうして対峙してみて先生の言っていた意味が分かる。大百足や牛鬼と対峙した時には感じなかったこと。

他の妖と何が違うのか────目だ。

彼らは私をよく見ている。弱点はなにか何を考えているか何を求めているか。観察し探り、狙っている。