里の襲撃と私が関連のないことだったとしても、これまで起きた事件は私を狙うために仕組まれたもの。だから必ず私がいる場所向かう場所で何かが起きた。
つまり私の行動はかなり向こう側に筒抜けになっているということ。なのに今回私が里にいることは知られていなかった。それはどうして?
すぐに殺すし名乗る必要もないかと思ってんけど、あの子がしくじりよるから。
そりゃもう疑うしかないでしょ、裏切り者。
伊也の言葉と薫先生の言葉が重なって、疑いは確信に変わる。
いるんだ、こちら側に。
私たちの情報を流している、誰かが。
息を飲む。震える喉で言葉を紡いだ。
「内通者は……誰なの?」
一瞬訪れた耳鳴りがするほどの沈黙。そして次の瞬間、深い谷底にいるみたいに彼女の高笑いが響き渡る。あちこちから声が聞こえるような錯覚に陥る。
眞奉が私の手を強く引いて自分の背中に隠した。
「はぁ、おもろ。巫寿ちゃん阿呆みたいに素直なんやもん。ほんま、苦労も知らずにぬくぬくと育てられたんやろなぁ」
笑い声がピタリと止んだ。
「さぁて、誰やと思う?」
まるで何も無いところから突然現れたかのように、耳横でそんな声が聞こえた。
眞奉よりも早かった。



