言祝ぎの子 陸 ー国立神役修詞高等学校ー


こちらが質問しても相手が答えない可能性もあるし慎重に考えなければ。

こういう時嘉正くんならなんて聞く? 恵衣くんならどんな作戦を立てる? 慶賀くんたちなら、どういう攻撃を仕掛ける?

心の中でみんなに問いかける。そうすると少なくとも一人で考えるよりかは正解に近付ける気がした。

一つ目の質問、それは。


「どういう目的で、八瀬童子の里を襲ったんですかッ……!」


眞奉が私の肩を抱きしめ走り出す。

足音を立てないように気を遣えば、逆に足元が絡まって転びそうになった。すんでのところで眞奉が私の二の腕を掴む。

し、と唇に人差し指を当てた眞奉が赤い瞳で私を見下ろす。


「やっと口聞いてくれたと思ったらそれかいな。どういう目的て、そんなん一つやろ。この里の戦力を狙っとる。ま、うちはそんなん興味ないけど」


興味がない? 彼女が黒狐族に里を襲わせた訳ではなく、彼女も誰かに指示されて黒狐族に里を襲わせたということ?

ということはつまり、彼女のさらに上に指示を出している人間がいるということだ。


一人の人物が脳裏をよぎる。いやでもまさかと否定するも、完全に否定しきれない自分がいた。

黒い眼帯が何度も脳裏を過る。

もしそれが本当なら、幽世では一体何が起こっているの……?