良くも悪くも恵衣くんは自分に厳しく他人に厳しい。思ったことは何でもはっきり言うタイプで、正論ならなおのことはっきり物申す。 そして正論は、正しければ正しいほど指摘されると痛い。 「何なんだあいつは」 恵衣くんは閉まった扉に眉根を寄せる。 これ、私がどうにかしなきゃいけない案件だろうか。というか私でどうにかできるんだろうか。 静かな神楽殿に私の深いため息がよく響いた。