「だって来光と泰紀はともかく、嘉正がいれば多少適当でも何とかなるだろ?」
「間違いない……」
私たちの中ではずば抜けてしっかり者の嘉正くん。その冷静さやリーダーシップには何度助けられてきたことか。
頼りきっている自覚がかなりあるのが情けない。
「四兄弟のお兄ちゃんだし、自然と先頭にしっかりしなきゃって考える癖がついちゃってるのかもね」
「それで言ったら俺────」
不自然に言葉を止めた慶賀くんに首を捻る。どうしたの?と聞けば「いんや」といつも通りへらりと笑って首を振る。
「そういえば昨日の課題さぁ」と分かりやすく話題を変えた慶賀くんを不思議に思いながらも、私たちは来光くんご所望の和菓子屋さんへ入った。



