ほらやっぱり嫌われてる!と膝に顔を埋めてしくしく泣き出す。二人が露骨に「めんどくさ」という顔をした。

まぁまぁと二人を宥め、瑞祥さんにはティッシュを差し出した。


「聖仁さんが瑞祥さんを嫌うことはないと思います。少なくとも十数年前隣にいた幼馴染な訳ですし。ただ、急に態度を変えられたら流石に聖仁さんも悲しいんじゃないでしょうか」

「……悲しい?」

「瑞祥さんも、急に聖仁さんに素っ気ない態度を取られたら悲しいですよね?」


つま先を見つめた瑞祥さん。こくん、とひとつ頷いた。


「いつも通り、とまではいかないと思いますけど、ちゃんと顔を見て話してあげてください」


影から見守ると決めていた二人の恋路だけれど、これくらいの助言は許されるだろう。

ほら甘酒飲んで、ほらチョコ食べて、と後輩ふたりに世話を焼かれる瑞祥さんがちょっと微笑ましい。


「あ、私厨房からお茶貰ってきますね」


そう言って立ち上がった。