「嘘でしょ!? 瑞祥さん、聖仁さんの事好きになったの!?」
「は、はァ!? なんで急にそうなるんだよ!!」
目を剥いた瑞祥さんがテーブルに身を乗り出した。
「どうでもよかった人が急に格好よくみえて、一緒にいるとソワソワして上手く喋れなくなる……典型的な恋の始まりですっ!」
「嘘ォ〜! あの瑞祥さんが恋! 恋!」
「コイコイうるせぇー!!」
二人に飛びかかった瑞祥さんが後ろから羽交い締めにする。そんな事はお構いなしに二人は「キャーっ!」と興奮気味に叫んだ。
とうとう瑞祥さんにも恋心が……!
唯一無二のバディポジションから好きな人への変化、これはかなり大きな一歩だ。
「わ、私が……聖仁を……す、す……」
真っ赤になって後ろにひっくりかえった瑞祥さん。
みんなが慌てて手を引っ張り起こす。
「しっかりしてよ瑞祥さん! ビックリするのは分かるけど、どっちかって言うと私たちの方が衝撃大きいんだから!」
「でも、だって、アイツは幼馴染で……」
「幼馴染から恋人になるのは、ボーイズラブの鉄板です……!」
玉珠ちゃん、この二人はボーイズラブじゃないよ。それはさておき。
「瑞祥さんは困惑してるんですよね? 今まで聖仁さんに向けていた感情とは、全く違う感情が芽生えて」