鞍馬の神修の学生寮一階は、私たちと同じで大広間兼食堂になっていた。そこで朝ごはんを頂きながら、一学期ぶりの再会厳密には半日ぶりの再会を楽しむ。

呆れたように息を吐いた信乃くんは私たちの顔を見回した。


「展開早すぎちゃう? 半日前にお前らと電話したと思うんやけど」

「いやー、ギャグだなギャグ」


ハハハッと泰紀くんが笑う。


「でも何で急に来ることになったんだ? 中止になったんじゃないのか?」


信乃くんの隣に座っていた鬼市くんが怪訝な顔で私にそう尋ねる。「それが私たちにもよく分からないの」と肩を竦めた。


「まぁおかげさんで授業もはよ終わったし、俺らからしたらラッキーやけどな」


信乃くんたち鞍馬の神修側に私たちの来校が知らされたのは、私たちが到着するほんの十分前だったらしい。

人の時間で言うと真夜中だけれど、主な活動時間帯が夜にある信乃くんたちにとってはちょうど六限目の授業中だったらしい。

授業は取りやめになって私たちが宿泊する寮を整えてくれたのだとか。


「でも、また皆に会えて、嬉しい」


信乃くんの隣で静かに会話に混ざっていた瓏くんがそう口を開ける。


「瓏……お前可愛い奴だなぁッ!」


感極まった泰紀くんが瓏くんに抱きついた。嫌な顔どころかむしろ嬉しそうに抱擁を受け入れる瓏くん。