次の瞬間、森が途切れて眩しいほどの光が一気に差し込んだ。思わず目を細めて手のひらで影を作る。
山の中腹にそびえ立つ大きな赤い鳥居。鳥居へ続く道には薄が揺れている。神修も夏が終われば学校の至る所が薄だらけになる。その奥に聳え立つ木造建築の建物。 五階建てのその建物は大きい社の本殿に似た造りだけれど、実際はそうじゃないことを私たちはよく知っている。
鳥居へ続く急勾配な坂道を車がかけ登ってゆく。二メートルはありそうな長方形の大きな石碑を横切り、ほんの一瞬そこに掘られた文字が見えた。
「俺たちの目的地は神役修霊高等学校────鞍馬の神修だ」