先生が引き続き何か話しているようだけれど、ざわめく声で上手く聞き取れない。
前の方に座っていた深緑色の制服を学生たちがバタバタと広間から出ていく。高等部の制服だ。
私たちも立ち上がってバタバタと薫先生に駆け寄った。
「薫先生! 急に何事だよ!」
「お、良かった。君らも広間にいたんだね。話は先生が言ってた通りだよ」
「全然意味わかんないんだけど!?」
あはは、と笑った薫先生は私達の背中を押して「ほらほら急いで」と促す。
「もうあと5分しかないよ。遅刻したら置いてかれるから急いでね」
はァ!?と皆が目を剥いた。半強制的に広間から追い出される。他の高等部の学生たちが悲鳴をあげながら私室を目指して走り出す。
私達もその流れに乗って走り出した。