そしてやっと見えたあたりは、自分の住んでいた時代とは違くて。

異能力などの気配もなく、ここは人間の家だとすぐに理解した。


(私……もしかして、生まれ変わってしまったの?)


何かの夢かと疑ったものの、感触がはっきりしすぎている。

きっと……死んで、生まれ変わってしまったのだ。

それも、時代背景をみるに……おそらく、50年は経っているだろう。



(……記憶があるのは、なんだか変な感じだけれど……今世では絶対に、平和に暮らしたい)



その目標を胸に、桜子としての人生がスタートした。