なぜか目が覚めた。

だけど、視界に映るの小さな赤ちゃんの手。


(あ……れ……私?)


確か、死んでしまったはずじゃ……と焦りながら辺りをキョロキョロ見回すと、美しい女性と男性が愛おしそうにこちらを見つめていた。


「目が開いたわ……!!」
「やったな杏里……!!」
「ええあなた!名前はどうする?」
「ちょうど桜が開花したことだし、桜子なんてどうだ?」
「あらとっても素敵!決定ね!」


わけのわからないまま、焦りが止まらず涙が溢れる。

すると美しい女性は、桜子を抱き上げてあやすようにした。