もらってばかりではないのだ。

自分でも気づかないうちに、誰かに何かを与え、何かをもらう。

それらは目には映らないけれど、確かにある。

見えないから不安になる。

自分の贈ったものは要らなかったのではないか。
もらったものは見当違いなのではないか。

だけど見えないからこそ想像したい。

大きく豪華な思いも、
遠慮しがちな一輪も、
きっと花束のように美しくある。




〈終〉