昼休み、晴に駿との状況を尋ねた。

「やっぱり駿って鈍感だよね。そこがいいんだけど。
今日はまた3人で帰ろう」

晴は呆れたように笑って肩をすくめた。

駿は晴が告白していることにすら気づかなかったらしい。
確かにその反応は最も駿らしいなと思った。
俺はドンマイと晴に笑いかけるしかなかった。



放課後、3人で帰路を共にしながらも、駿は朝のまま機嫌を損ねていた。

夏の始まり、午後5時を過ぎても日は高く、周りに誰もいない俺たちの家への道のりではより太陽が熱く感じられた。

「駿、なんか怒ってない?」

駿の後ろを歩きながら、晴がこっそり耳打ちをしてくる。

「俺が昨日勝手に帰ったとか言って拗ねてる」

「私のせいじゃん、ごめんね。先帰るから仲直りして」

晴は申し訳なさそうに眉を顰め、小走りで前を歩く駿の元へ行って肩を叩く。

「駿、私スーパー寄ってくからまたねー」

そう言ってそそくさと駆けて行った。
取り残された俺は、ふてぶてしく歩く駿の隣に並んだ。

「駿、まだ怒ってんの?」

「怒ってる。シェイク飲み行こ」