決勝敗退。

そんなニュースが入ってきたのは取材に訪れていた卓球部の県大会が終わった頃だった。

駿が今どんな顔をしているか、いつもなら想像がつくのに、今日はダメだ。
この前言われたことが頭の中を巡ると鼓動が速くなった。

ただ今日みたいな日は一緒にいるのが普通で、この前のことを気にしすぎるのも変な気がした。

“涼のこと好きだよ”
“恋愛的な意味で”

頭の中に残る声を一旦無かったことにした。