遊園地に行こう!と晴が言い出したのはつい昨日のことだ。
突然の誘いに暇な俺は行かない理由がなかったが、駿は野球の練習がしたいと断った。
だが、一日中拘束はしないとの約束のもと、晴は無理矢理駿を連れ出した。

今思えばこの時から嫌な予感がしていた。
晴は駿との距離を縮めたがっているのに、それを躱そうとする駿にハラハラしていたのだと思う。

お昼過ぎに到着した目的地は、休日の割に人が少ない。
地元の住民しか遊びに来ない小さい規模からだろう。
昔は全てがキラキラ大きく見えたのに、
今は古びていてアトラクションも全て小さく感じる。

まずは腹ごしらえでもと言う話になり、
座ったフードコートで俺は注文をかって出た。
駿もついてこようとしたがなんとか宥めた。

できるだけ晴と駿を二人きりにしよう。


心の奥に芽生える寂しさは見えないふりをした。
実際に見えないほど微かで、気にならなかった。