「――はい、問題ありません。珍しいスキルをお持ちですね。冒険者ならかなり役立ちますよ。それと、名前は偽名で登録する方は多いですよ」

 なにやら誤解してくれたようです。

「それでは、血を一滴いただきます。魔導具に登録を致しますので」

 別に血ぐらいでは騒ぎませんし、サクっと渡された針で指先を指して一緒に渡されたプレパラートのようなものに血を垂らします。
 それを受付嬢さんは私が先ほど書いた紙の上に置き、なにやら魔力を動かしました。

「――はい、ありがとうございます。
 少し時間がかかるので、先に冒険者について説明させていただきます」

 おっと、長そうです。しっかり聞いていませんと。

「まず、冒険者はF〜A、さらにその上のSとSSのランクによって区別されています。ランクはギルドへの貢献度が一定値を超えること、その他必要能力を有することを条件にして上がります。
 Dまでは戦闘力のみ、Cは人を殺せるか、Bで礼法、A以上は1つ下のランクを凌駕するような戦闘力です。
 Cは護衛依頼や盗賊の討伐依頼があるから、Bは貴族と直接会う機会があるからというのが理由ですね。ですからCとB、それからSに上がる際は試験があります」

 人を殺せるか、ですか。まあ、そこは大丈夫です。理由については、おいおい……。

「また、冒険者同士の争いに関してですが、ギルドは基本関与しません。要請があれば訓練場を提供する程度です。その他細かな規約に関してはあちらにあるマニュアルをご覧ください。それほど量はないので」

 あれですね。絵本くらいの厚みに見えます。
 
「――登録も終わってますね。こちらがあなたのギルドカードになります」

 ほう! サイズは学生証と同じか若干大きいくらいで、凄くそれっぽいです!

「身分証明としても使え、色を見ればランクがわかります。下から黒、茶色、青色、緑色、赤色、銀色、金色です。SSランクは自由に変えられます」

 つまり私はFランクと。登録した手ですから当然ですね。

「偽造はできません。このように本人以外が持つと白い色になり、また本人が持つと色が戻るという機能がありますので。再発行には金貨三枚かかるのでご注意ください。……こんなところですね。」

 思った通り、少し長かったですね。これ、ちゃんと聞かずに失敗する人もいそうです。
 それにしても、ギルドカードってオーバーテクノロジーっぽいですね。街並みを見た感じ。

 とりあえず、薬草売りましょうか。