スタンピートから1週間ほどたちました。
私はあの夜、遊びに来たメルちゃんを膝に抱えたまま泣いてしまいました。
整理したはずだった家族への思いが溢れ、止まりませんでした。
次に友人達の顔が浮かびました。私は人付き合いはいい方ではありませんでしたが、その分深く付き合っていた大切な奴らでした。
ずっとずっと泣き続ける私を、メルちゃんは不思議そうな顔をしながらも頭を撫でてくれていました。
子供特有の高い体温を、すぐ側に感じていました。
次の日には私もさすがに復活して、ギルドへ行きました。
スタンピートの報告と報酬の受け取りですね。あれは〈緊急依頼〉に分類されるので、報告をしなければ罰則を受けてしまいます。
え? どうやって確認するかですか?
――ああ、そう言えば説明していませんでしたね。
ギルドカードには討伐した、又は討伐に貢献した魔物の名前が記録される機能があります。
これはギルド登録時には説明されません。よく考えもせず偽称するような悪質、またはそうなるような要素のある冒険者をふるい落すためですね。
もちろん一回やそこらでチャンスを完全に奪うことは、あまりありませんし、頭の回る悪人はどうにもなりませんが。
ちなみにマニュアルには書いてありますし、聞けば教えてくれます。
頭の回る悪人ならその辺を調べることは怠らないでしょうから、別に説明しない意味がないということはありません。
また、そういう人材が必要な場面もあるでしょう。毒をもって毒を制す、ということです。
ついでに、依頼失敗時の罰則など依頼関連の規約を説明せずにいるのも似たような理由です。この世界の冒険者ギルドは現代日本ほど親切でもないし、優しくもないんです。『マニュアルをお読みください。』と一言言ってくれるのは、いわば情けといったところだそうですね。
ともあれ、今回はその機能を使うことになります。
私はあの夜、遊びに来たメルちゃんを膝に抱えたまま泣いてしまいました。
整理したはずだった家族への思いが溢れ、止まりませんでした。
次に友人達の顔が浮かびました。私は人付き合いはいい方ではありませんでしたが、その分深く付き合っていた大切な奴らでした。
ずっとずっと泣き続ける私を、メルちゃんは不思議そうな顔をしながらも頭を撫でてくれていました。
子供特有の高い体温を、すぐ側に感じていました。
次の日には私もさすがに復活して、ギルドへ行きました。
スタンピートの報告と報酬の受け取りですね。あれは〈緊急依頼〉に分類されるので、報告をしなければ罰則を受けてしまいます。
え? どうやって確認するかですか?
――ああ、そう言えば説明していませんでしたね。
ギルドカードには討伐した、又は討伐に貢献した魔物の名前が記録される機能があります。
これはギルド登録時には説明されません。よく考えもせず偽称するような悪質、またはそうなるような要素のある冒険者をふるい落すためですね。
もちろん一回やそこらでチャンスを完全に奪うことは、あまりありませんし、頭の回る悪人はどうにもなりませんが。
ちなみにマニュアルには書いてありますし、聞けば教えてくれます。
頭の回る悪人ならその辺を調べることは怠らないでしょうから、別に説明しない意味がないということはありません。
また、そういう人材が必要な場面もあるでしょう。毒をもって毒を制す、ということです。
ついでに、依頼失敗時の罰則など依頼関連の規約を説明せずにいるのも似たような理由です。この世界の冒険者ギルドは現代日本ほど親切でもないし、優しくもないんです。『マニュアルをお読みください。』と一言言ってくれるのは、いわば情けといったところだそうですね。
ともあれ、今回はその機能を使うことになります。