魔力を全身に纏った私は、一足飛びでオーガジェネラルに肉迫します。
先手を譲って勝てるような甘い相手ではありません。さすがにこのドレスを真っ二つにすることはできないでしょうが、中の私が壊されます。
上段からの斬りおろし――と見せかけて手前の地面を叩きます。そのとき魔力を弾けさせることは忘れません。
弾かれた土砂は彼の鬼へと降り注ぎます。ダメージは与えられませんが一瞬の目潰しにはなるはず。
大地に弾かれた剣を、勢いに逆らわず斬りあげます。
鬼はこれを、どうやってか紙一重で避ける。死に体となった私の首をはね飛ばそうと剣を振り上げ……これは想定済みです。
地面を弾き飛ばした魔力とともに放っておいた魔力塊から生成され、鬼の後頭部を襲うのは漆黒の槍。
その強靭な皮膚を貫くには至りませんが、バランスは崩しました。
そこに、ほぼ全力の平付き。
普通大剣でできることではありませんが、今の力なら余裕です。
後ろの左足から前の右足へと体重を移動させ、さらに剣先へと。
――ガンッッ!
鬼は辛うじて剣を斜めにいれ、私の突きを後方へそらします。
そしてそのまま、私の剣にそって真っ直ぐ剣を振り下ろしました。
避けきれません!
「くっ!」
左肩から下がひどく熱いです。
ドレスの下の肌は無傷ですが、肋を数本持っていかれました。これは肩の筋も切れてますね。
祖父の道場に行かなくなって以来の痛みが私を襲います。
既に再生は始まっていますが、しばらく左手は使えません。
かといって距離をとり、魔法で攻撃しようにも、今の私では鬼の進行をはばめるほどの魔法を連続で放つことは出来ません。
ならば。
「ふっ!」
「ゴギャ!」
たかが一太刀浴びせたくらいで得意な顔をしている鬼の顔面にヒザ蹴りを叩き込みます。
あの状態でまさか間合いを詰めるとは思わなかったのでしょう。綺麗に決まりました。
魔力で強化された私の蹴りは、鬼の鼻骨を砕きます。
鈍い音と悲鳴をあげる鬼は、怒りに燃える眼で私を睨んできますが、知ったことではありません。
一歩踏み出し、剣そのものの重量と遠心力を活かした横薙ぎ。
鼻を抑える左手側からの一撃に、自身の手が死角となり一瞬反応を遅らせた鬼は、受け切れず真横へ吹き飛びます。
木々をなぎ倒しつつ見えなくなった鬼を、すぐさま追いかけ追撃しようとしたところで、私の体は炎に包まれました。
これは、魔法!?
オーガジェネラルは魔法まで扱うのですか!?
ドレスと自身を包む魔力のおかげでダメージは殆どありません。
しかし一瞬怯んだ私の眼前にあるのは大剣の刃。
なんとか自分の剣を滑り込ませた私は、手首を使ってその大剣を受け流します。
耳障りな音を立てつつ流した剣にそって、逆袈裟気味の斬りあげ。
「さっきのお返しよっ!」
鬼がわずかに身を引いたために腕を切り落とすことはできませんでしたが、十分な傷を与えました。
切られた肩の筋は既に繋がっています。
振り上げた剣の柄頭に左手を添え、唐竹割り。
先手を譲って勝てるような甘い相手ではありません。さすがにこのドレスを真っ二つにすることはできないでしょうが、中の私が壊されます。
上段からの斬りおろし――と見せかけて手前の地面を叩きます。そのとき魔力を弾けさせることは忘れません。
弾かれた土砂は彼の鬼へと降り注ぎます。ダメージは与えられませんが一瞬の目潰しにはなるはず。
大地に弾かれた剣を、勢いに逆らわず斬りあげます。
鬼はこれを、どうやってか紙一重で避ける。死に体となった私の首をはね飛ばそうと剣を振り上げ……これは想定済みです。
地面を弾き飛ばした魔力とともに放っておいた魔力塊から生成され、鬼の後頭部を襲うのは漆黒の槍。
その強靭な皮膚を貫くには至りませんが、バランスは崩しました。
そこに、ほぼ全力の平付き。
普通大剣でできることではありませんが、今の力なら余裕です。
後ろの左足から前の右足へと体重を移動させ、さらに剣先へと。
――ガンッッ!
鬼は辛うじて剣を斜めにいれ、私の突きを後方へそらします。
そしてそのまま、私の剣にそって真っ直ぐ剣を振り下ろしました。
避けきれません!
「くっ!」
左肩から下がひどく熱いです。
ドレスの下の肌は無傷ですが、肋を数本持っていかれました。これは肩の筋も切れてますね。
祖父の道場に行かなくなって以来の痛みが私を襲います。
既に再生は始まっていますが、しばらく左手は使えません。
かといって距離をとり、魔法で攻撃しようにも、今の私では鬼の進行をはばめるほどの魔法を連続で放つことは出来ません。
ならば。
「ふっ!」
「ゴギャ!」
たかが一太刀浴びせたくらいで得意な顔をしている鬼の顔面にヒザ蹴りを叩き込みます。
あの状態でまさか間合いを詰めるとは思わなかったのでしょう。綺麗に決まりました。
魔力で強化された私の蹴りは、鬼の鼻骨を砕きます。
鈍い音と悲鳴をあげる鬼は、怒りに燃える眼で私を睨んできますが、知ったことではありません。
一歩踏み出し、剣そのものの重量と遠心力を活かした横薙ぎ。
鼻を抑える左手側からの一撃に、自身の手が死角となり一瞬反応を遅らせた鬼は、受け切れず真横へ吹き飛びます。
木々をなぎ倒しつつ見えなくなった鬼を、すぐさま追いかけ追撃しようとしたところで、私の体は炎に包まれました。
これは、魔法!?
オーガジェネラルは魔法まで扱うのですか!?
ドレスと自身を包む魔力のおかげでダメージは殆どありません。
しかし一瞬怯んだ私の眼前にあるのは大剣の刃。
なんとか自分の剣を滑り込ませた私は、手首を使ってその大剣を受け流します。
耳障りな音を立てつつ流した剣にそって、逆袈裟気味の斬りあげ。
「さっきのお返しよっ!」
鬼がわずかに身を引いたために腕を切り落とすことはできませんでしたが、十分な傷を与えました。
切られた肩の筋は既に繋がっています。
振り上げた剣の柄頭に左手を添え、唐竹割り。