押し寄せる鬼供に鑑定の魔眼を向けます。

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<ゴブリン> G(興奮)
醜い小鬼のようなゴブリン族最下級の魔物。
単独では弱いが、社会性を持ち同種と連携を取ることが知られている。
異常なほど繁殖力が高いが雌は存在せず、他種族を攫って孕ませる。
ゴブリンの母体となったものは精神が侵され、ゴブリンとの行為に幸福を感じ、子に愛情を持つようになる。最後には精神が破壊されるが、ゴブリンたちは構わず孕ませ続ける。
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<ゴブリンメイジ> F(興奮)
突然変異で通常よりは大きな魔力を持ったゴブリン。
生態は通常種に準じる。
魔法を使うが知能は通常種よりはマシ程度。
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<ゴブリンエリート> F(興奮)
ゴブリンの精鋭。
通常種より巧みに武器を扱い、攻撃に魔力を使う小技を覚えた。
知能はメイジにややまさり、小隊規模の指揮をすることもある。
生態は通常種に準じる。
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<ホブゴブリン> E(興奮)
下位の、ゴブリンが進化した魔物。
身体力が向上し、単体でもそこそこの戦闘力を持つに至った。
ゴブリン同様の生態だが、性欲はさらに強い。
小〜中隊規模の指揮をすることがある。
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<ホブゴブリンメイジ> D(興奮)
ゴブリンメイジが進化した魔物。
ごく稀に通常種のゴブリンからも進化する。
ホブゴブリン同様生態は通常種に準じ、性欲は増している。
ごく稀にだが、中位の魔法を使うものもいるので注意が必要。
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<ホブゴブリンエリート> C(興奮)
ホブゴブリンの精鋭。
人間の一般の兵士を超える技量をもち、中隊規模の指揮を執ることがある。
ホブゴブリン同様生態は通常種に準じ、性欲は増している。
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<ゴブリンジェネラル> B(興奮)
ホブゴブリンエリートが経験を積み、一定の強さを超えると進化する。
一個大隊を指揮し、熟練の人間種と同等の技量を持つ。
また知能もそこそこ高く、他種族の雌を前にしても冷静さを失わない。
しかしひとたび行為に移ればホブゴブリンさえ超えた性欲をもって襲いかかる。
『討伐推奨種』。
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<オーク> D(興奮)
豚の頭を持った中級下位の魔物。
雌が存在せず、他種族を攫って孕ませる。
性欲が強く、繁殖に関わらず雌を見ると行為をしようとする。
一方で社会性はゴブリンに次いで高い。
厚い脂肪をもち、衝撃と熱変動に強い。
モンスターとしては、特に女性に嫌われているが、食材としては平民がそこそこの頻度で手を出せる上質な肉として人気。
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<ハイオーク> C(興奮)
オークが進化した中級上位の魔物。
生態は通常種に準じる。
オーク同様モンスターとしては嫌われ者だご、食材としてはオークを超える美味で下級貴族や平民の資産家御用達。
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<オークジェネラル> B(興奮)
ハイオークが経験を積み進化した上級の魔物。
生態はオークに準じるが、ジェネラル種が現れると大規模な村を形成するようになる。
上級貴族に喜ばれる高級食材。
『要討伐種』
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<オーガ> C(興奮)
二本のツノと筋肉質な体が特徴的な中級下位の魔物で、鬼系最上位の種族系統。
その巨体を支え、凄まじいまでの剛力を生み出す筋肉は生半可な武器では傷つけることさえ出来ない。
基本単体行動を好み、群れることはほとんどないが稀に上位種に率いられていることがある。
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<ハイオーガ> B(興奮)
オーガが進化した上級の魔物。
オーガを超える怪力と頑丈さに加え、人間の子供並みの知能をもつ。
オーガ同様単独行動を好むが、稀に上位種に率いられていることがある。
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 Dランク以上の強制依頼だけあって、DやEランクの下位ゴブ種と普通のオークが多いですね。
 どうやら今回のオーガジェネラルはもっと後方にいるようです。
 というか、地味にこれって魔物とのファーストコンタクトなんですよね……。

 …….とりあえず、ハイオークは確保しましょう。なに、あれだけうじゃうじゃいるんです。ジェネラルならともかく、ハイオークの一匹や二匹、バレませんって。

 さて、そろそろ魔法の有効範囲です。

「おい!魔法使いども!派手な魔法使うなら接敵する前に使っとけ! 火魔法なんて使ったら俺がぶっ飛ばしてやるけどな!」

 なにやら物騒な怒鳴り声が聞こえます。
 まあ当然ですね。森ごと燃えます。街の経済に被害が出かねません。

 ではなにを使いましょうか。
 できれば勢いを殺したいですが、生憎私の魔法は点の攻撃ばかりです。
 レーザーで薙ぎ払えなくはないですが、今の位置関係だと他の人を巻き込みます。

 しょうがありません、新魔法作りましょう。

 せっかくなので複数属性を同時に使ってみます。今の<魔力操作>のレベルなら細かいことをしなければいけるはず。

 イメージは火山の噴火。その原理です。
 まず、体内から放出した魔力塊媒介に<水魔導>で水を作ります。
 これを<風魔導>で限界まで圧縮しながら<火魔導>で熱を加えて水蒸気に変換。
 出来上がったものを、<魔力操作>を使って飛ばし、敵の先頭よりやや後方まで運びます。

 そして解放。

(――ドゴォォン!!!!)

 瞬間震える大気、ほんの僅かに遅れて聞こえる爆音。

「「「………………」」」

 ……ええと、はい、やり過ぎました。
 今ので五百は削れたように思えます。

 ハイオーガの何体かは辛うじて生きていますが、既にボロボロ。その他Cランク以下のやつらはただの肉片に成り下がっています。
 あぁ、ハイオークまで……。

 とはいえ、まだまだスタンピードの終わりは見えません。
 後続と生き残ったハイオーガに他の魔法使いが追撃を行います。