昨夜はあの後、お風呂へ入ってすぐに寝ました。
 今は昨日できなかった魔力操作の訓練をしているところです。
 気になるのは、前回やっていた時より魔力量の伸びが良く感じることですが……。

(ゴォーン ゴォーン ゴォーン…)

 おや? 三の鐘です。もうそんな時間でしたか。
 循環していた魔力を鎮め、下へ降ります。

「あ、お姉ちゃん!」

 階段を降りるとすぐにメルちゃんが飛びついてきます。
 何故か気に入られたようなんです。
 まあ可愛いのでいいですが。

「おや? 今日は遅かったね?
 朝食は出来てるよ。今日はオークの残りをスープに入れたから、美味いよ!」

 そう言ってニカッと笑うレイラさん。
 なるほどたしかに、いつもよりさらに美味しそうな匂いが私の鋭い嗅覚を刺激します。

(ぐるるるる)

「はっはっは!
 正直なお腹だね? ほら座って待ってな、すぐ持ってくるから。」

 ……ものすごく恥ずかしいです。
 顔を真っ赤にしながら辛うじて返事を返します。
 他に人が居なくて良かったです……。

 なんとか平静を取り戻した頃にレイラさんがお盆に朝食を乗せて持ってきてくれました。

「ありがとうございます。あぁそうだ、追加でもう二泊お願いします。」
「あいよ。……はい、これお釣り。昨日までと同じで良かったんだよね?」
「はい、お願いします」
「お姉ちゃん、まだ泊まってくれるの? やったー! 夜遊びに行っていい?」

 嬉しそうなメルちゃんから視線をレイラさん
へ向けると、コクンと一つ頷いてくれました。

「ええ、いいわよ」
「ほんと!? わーい!」

 すごい喜びようですね。なんでこんなに気に入られたんでしょう?

 ちなみにレイラさん夫婦には敬語のままです。
 今更変えづらいのと、冒険者関係ではない上に彼女相手なら問題ないと判断しました。

 あ、オークのスープ、美味しかったです。