ギルドを出て、街の外へ向かいます。明日以降の宿代を得なければなりませんし、管理者さんに頂いた武器も試さなければ。

 やって来たのは昨日と同じ街道から少し外れた位置にある広場。ここで例のアレを出します。はい、玉虫色の球体です。武器になる予定のやつですが、ヤバい雰囲気しか感じられません。
 しかしまあ、管理者さんに渡されたものですし、と意を決して欲しい武器の姿を思い浮かべると、その球体はぐにょぐにょと動いて形を変えていきます。
 そして一瞬光ったか(のち)、姿を現したのは、一振りの大剣。盾とする事を考えたからか、どこか異様な雰囲気をもつそれは一般的なものより大きく、それでいて、取り回すのに邪魔にならない。まさに望んだ通りの武器です。

 白い刀身のそれは刃に血管のような文様が刻まれており、どこか不気味に感じました。

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<母なる塔の剣> 伝説 (不壊/神呪)
転生者アルジュエロに与えられた神器が変化して生まれた大型の大剣。
彼の者の願いを聞き、盾としての役割も果たしつつ取り回しに困らない大きさをしている。
アルジュエロの性質に影響を受けた結果、大地母神の力を一部具現化した。
生物を眷属とする能力がある。
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 おおぅ……。やはりぶっ壊れてますね。
 というか、白い塔、大地母神、眷属化ってアレですよね? もうアレしかないですよね? という事は『副王』ってアレで確定ですよね?

 ……私は恐ろしいものと関係を持ってしまったようです。本当にあの話の通りならですが。今更ながら、管理者さんとか気軽に呼んでいいんですかね?

 ともかく、この剣の実験は大樹海の奥の方でしましょう。

 先に<飛行>の実験をします。

 まず、<創翼>で翼をつくります。
 その結果できたのはコウモリのような、二対の翼。
 lv5だけあって、それなりに弄れるので色を真っ黒にして、少し大きく――広げた状態で一対が170センチ弱、つまりは身長と同じぐらい――にします。

 ……うん、いい感じ。

 さて、いよいよ飛んでみるわけですが、<飛行>スキルは先程創った翼を媒介にして空間に作用するものです。つまりドレスの補正が効くはず!