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 さて、そろそろギルドに向かいましょう。
 一応探してみましたが、この辺りには薬草は見られません。一応高級(ハイ)ということですね。
 …………あ、飛行訓練。
 ……次の機会にしましょうか。流石に今からどうなるか分からない事をする気は起きません。ええ、木ドンで懲りました。
 門までは走って帰ることにします。
 かなり早く走れます。軽く走っても稲妻の名で呼ばれる某陸上選手の短距離走くらい出てるんじゃないですか? これは楽しいです。体も軽いしアニメの忍者っぽい動きも楽にできますかね? ……飛べるので意味ないですね。

 ――もう門が見えてきました。
 さっさと並んで入ります。昨日の門兵さんは居ませんでした。彼なら街の名前とか聞けたのに、残念です。


◆◇◆
 ギルドは昨日と違って人といっぱいです。
 この身体の感覚も掴めましたし、魔法も使えるようになった今ならテンプレもドンと来いです!

 そういえば道中、いろんな種族の人を見ました。獣人や人族はもちろん、エルフにドワーフ、ドラゴニュート、ハーフリングもいましたね。
 昨日も同じ道を通ったはずですが、どれだけ視野が狭くなっていたのでしょう……。

「ギャハハハ、よぉお嬢ちゃん。こんな所に何の用ダァ?」

 なんて落ち込んでたら来ましたよ! テンプレ!
 きっと振り返った先には世紀末ヒャッハーが……ヒャッハーが…………銀行マン?

「おぉ? へぇ、いい身体(からだ)(の能力)してんじゃねぇか? ヒャハハハ! 見ねぇ顔だし新人だろぉ? (冒険者をする上で)いい事おしえてやるよ!」

 ……ハっ!
 トリップしてました。この人こんな口調ですが、めちゃくちゃ身だしなみしっかりしてるんですよ!
 ぴったり7:3に分け、固めた髪に、防具姿ですが、細かな部分もぴっしりそろってます。

 いえ、見た目に騙されてはいけません。セリフがアレすぎます。これは無視です、無視!

 そのままリオラさんのカウンターに並びますが、意外にも世紀末銀行マンは何も言わず去りました。
 まあ、その方がいいので問題ありませんが、何故でしょう? 心が痛みます。

 もやもやしていたら順番が来ました。

「おはようございます。リオラさん。講習受けに来ました」

「!? あ、おはようございます、アルジュエロさん。ギルドカードをお願いします。……はい、大丈夫です。このまま訓練所までお願いします。もの凄くぴっちりした方がいるので、彼のところで集まってください」
「?」