「よっしゃーっ!! 原稿できたよ!」
「モモ! すごい! これは傑作だよ!」
「モモ先生! さすがです! これはもう受賞確実ですよ!」
「えっへん!」

 ………………。

 …………。

 ……。

「モモー起きてー。モモー」
「モモ先生!! 頼むから起きてください!!」
「むにゃ……ふふ、傑作や……」
「ダメだ……これはもう起きる気も原稿をやる気もないですね」
「モモ先生……マジでお願いしますよぉ(泣)」

※締切は昨日。


 ***


 別日。

※モモ、原稿が進まず現実逃避中。

(れいちゃん、今日の格好すごく似合ってたな♡)

(たとえるなら優しくてカッコイイ王子さまかな)

(……あ、そういえばこのあいだ実家に帰ったとき、賢一(けんいち)痩せてたな。最近ジム通いしてるとか言ってたっけ)

※賢一はモモのパパ。

(賢一をキャラクターにたとえるなら口だけ達者で実はポンコツな錬金術師とかかなぁ)

 コンコン。

「モモ先生ぇー……そろそろ原稿もらえないとマジで詰むんですけど」←様子を見に来たスミィ。

「あ、ゴブリン」
「ゴブリンッ!?」

※スミィはゴブリン。