「高校なんか行きたくないって言ってんのに、賢一が行けってうるさくてさぁ」
「賢一?」
「パパのことだよ」
「あぁ……パパね(今どきの子は父親を呼び捨てにするのか)」←そんなことはない。
「賢一、しつこいし頭が固くてさー。いくら話しても理解してくんないの」
「そりゃ気分で高校に行きたくないって言われてもね……。きっとパパは、娘の将来が心配なんだよ」
「違うよぉ! 私、人生設計もちゃんと話したんだよ?」
「人生設計? なにか夢でもあるの?」
「うんっ! 私、小説家になる予定なの!」
※パパの心配の理由が明確に分かった瞬間であった。