某日。
「ううう。外出たくないよ〜」
「サイン会なんだから仕方ないでしょー! ほら、ファンのみなさん待ってるんですから、いつまでもわがまま言ってないで早く行きますよ!」
「歩く歩道が会場まで繋がってればいいのにな〜」
「それを言うなら動く歩道でしょ」
「おぉ。そうとも言う〜」
「そうとしか言いません(このひと、なんで作家になれたんだろ……)」
※モモは外出が超きらい。
理由:めんどくさいから。
***
「うわっ、見てみてあの子。めっちゃ美人」
「芸能人かな? お人形さんみたい!」
「あのとなりのひとだれだろ。お姉さんかな?」
「いや、似てないし単なる付き人とかじゃない?」
(モモ先生が美人の類だってこと、そういえばすっかり忘れてた……!)
※モモは黙っていると光香に負けず劣らず美人。
(納得いかねー!!)←スミィ。
(こうなったら、さっさとサイン会済ませて家に送り返してやる!)
「あっ! 猫だ!」
「ちょっ……モモ先生!? 会場はそっちじゃないですよ!?」
「ちょっとだけ〜」
「時間ないって言ってるでしょーがっ!」
※モモは基本、自由。
「まぁいいじゃん、スミィ。ほら見て! にゃんころ〜可愛いにゃん〜?」
にゃあ〜。
「ぐっ……(たしかに可愛い)」
「にゃんころ、ウチくる〜?」
にゃあ〜。
「はっ? ちょ、なに言ってんですか、モモ先生! 仔猫はいいから、早く会場行かないとですって!」
「よし決めた! 名前はおいもにしよう!」←無視です。
「おいも!? モモ先生、猫においもって付ける気ですか!?」
「え? うん」
※モモは以下略。
「もう! モモ先生〜っ! サイン会〜!!」
「あっ」
※あ、じゃない。
※結局、仔猫はモモんちで飼うことになった。
※もちろん世話は光香。