「すみません善処します」
『おう。ところでお前、明日暇か?』
「はい、暇です」

日曜は部活がなく、たまに友達に誘われて遊んだりすることもあるけど、基本暇。

即答すると、相良先輩は『だよな』と納得したような声を出した。

『じゃあ、俺に従え』
「はい?」
『八幡駅からすぐのモールに十三時集合。異論あるか』

その駅は高校へ通う沿線にある。つい一年前くらいにできた大型ショッピングモールへ徒歩三分で行けるので、利用者が爆発的に増えたと聞く。

友達と行ったことがあるが、休日はとにかく人が多い。特に家族連れで賑わっている。

相良先輩は騒がしいところが嫌いなイメージだったけど、そうでもないのかな。

『どうなんだ』
「あっ、はい異論ありません」
『よし。じゃあな』

こちらが返事をする前に、ブチッと通話が途切れた。

強引だなあ。絶対に俺が断らないと思って誘ってきてるよな。

……ん? 俺、もしかして今相良先輩に誘われたのか?