スマホは全員、朝のHRで教師に預けなければならない。

そんな学校のルールを初めて憎んだ。

もしかして朝のことは、サポーターと添い寝したキモイ俺にいたずらな神様が見せた夢だったのかもしれない。

帰る直前に返却されたスマホを握り締め、急いで下駄箱へ。

今日は部活がないので、靴を履いて校門を出る。

学校の外に出てからスマホを使うというルールを順守した俺は、おばさんみたいと言われた手帳型ケースを開く。

相良先輩のアイコンはたしかに画面上にある。

よかった、夢じゃなかった。

これでいつでも連絡できるんだなあ。

と言いながら、なかなか連絡できない自分が想像できる。

自分と相良先輩の共通の話題がなさすぎる。

せめて同じ学年だったらなあ。

俺はスマホをリュックに大事にしまい、駅へ向かった。