次の日、相良先輩のサポーターをうちにある中で一番きれいで丈夫そうな袋に入れ、家を出る。

彼が学校に来るか来ないかは気分次第なので、帰りに下駄箱で待ち伏せして会えたら万歳。会えなかったら下駄箱に入れて帰るか。

せっかくの相良先輩に会う口実だ。

直接手渡しできるまで持っていてもいいけど、よく考えたら本人のものではないので、早く返したほうがよかろう。

と、いつもの時間に登校すると、下駄箱のあたりがなんとなくザワザワしている。

なんだろうと思いつつ近づくと、なんと傘立てに相良先輩が座っていた。

イケメンだがガラの悪い相良先輩に注目しつつ、通り過ぎていく人たちの声がザワザワの正体だったのだ。

「おう」

スマホを見ていた先輩が、俺に気づいて顔を上げる。

もしや、俺を待っていてくれたのか?

今日も美しい。かっこいい。かわいい。

どんな賛美の言葉も彼の存在を正確に表すには足りない。