顔の造りがいいからか、髪型が格好いいからか、スタイルがいいからか、着こなしがうまいのか。きっと全部だろう。
「しかもお前、なんで、べ、ベンティ……」
「はい?」
「でっか。でかすぎるだろベンティ」
もしや、この飲み物のサイズのことを言っているんだろうか。
暑くて喉が渇いていたので「一番大きいの」と言ったらこれが出てきたのだ。
五百ミリリットルのペットボトルよりも少し大きいくらいのそれを持っているのは、店内で俺くらいだ。
うすうす、周りから見られているような気はしていた。
俺自身も受け取ったとき、「予想より大きいな」と正直思った。
そうか、これは日本人はあまり頼まない大きさなのだな。覚えておこう。
「へへ、そうですね」
照れ笑いを漏らすと、相良先輩が我慢しきれなかったというふうに、ぷっとふきだす。
「お前、知らずに頼んだだろ」
「はい。初めてこういうとこ入りました」
「嘘だろ。天然記念物かよ。最初は無難にスモール頼んでおけよ。なんでベンティ」